★ドクターからの回答★
早発閉経の用語の定義は一致しておらず、早発卵巣不全ともいわれていました。
1997年以降日本産科婦人科学会・用語委員会では、早期卵巣不全としています。
閉経を過ぎると卵巣の中に卵胞(卵)の発育がみられなくなり、
エストロゲン(卵胞ホルモン)分泌の減少につれて、
下垂体からのゴナドトロピン(卵巣刺激ホルモン)の分泌が増加してきます。
このような閉経後のホルモン環境すなわち高ゴナドトロピン、低エストロゲンの状態
が40(35)歳未満の若い年齢で生じて無月経となった状態を
早発閉経(早発卵巣不全)と呼びます。
22歳で無月経となり卵巣性無月経と診断されたとのことですので、
定義にはあてはまるかと考えます。
しかし、同じ臨床症状とホルモン検査成績でありながら、病理組織学的に
卵巣に卵胞が認められない症例と認められる症例が存在することが明らかになっています。
前者を従来どおりの早発閉経。後者をゴナドトロピン抵抗性卵巣症候群と呼んでおり、
卵巣の組織検査で鑑別できるはずですが、実際には病理組織学的に
卵胞がみられないことが確認され早発閉経の最終診断が下された後に、
自然にまた治療により排卵・妊娠した症例が報告されることから、
針生検や腹腔鏡下手術による卵巣組織の切除では
診断に十分でないことが指摘されています。
質問者の方も針生検にて原始卵胞がないといわれたそうですが、
針生検のような卵巣のごく一部の検査では両側卵巣の全体を表現できません。
前者との診断後、妊娠された報告が結構認められています。
ホルモン検査でFSH, LHが低くなっていたとしたら、それは卵巣性無月経では
りませんので、排卵誘発剤の使用は当然可能です。
ただし、性器の萎縮や骨粗しょう症の予防のために卵巣ホルモン補充療法が
なされていれば、卵巣が機能していると下垂体は判断しFSH, LHは低下します。
現在どんな治療をされているのでしょうか?
さて、治療ですが、妊娠希望がなければ、上記のように卵巣ホルモン補充療法で
よいかと思いますが、妊娠を希望された場合、前者の早発閉経であれば、
卵巣の中に卵が存在しないのですから、残念ですがやはり卵子提供しか
妊娠の可能性はありません。
後者のゴナドトロピン抵抗性卵巣症候群では卵が存在するのですから、
当然妊娠する可能性が存在します。
ただし、前者か後者の区別は実際には不可能です。
また、この病態の人の中には、坑核抗体などの自己抗体が陽性であったり、
甲状腺機能低下症やSLEなどの自己免疫疾患を合併している人が多いのです。
種々の自己抗体が陽性の方のケースで、ステロイドを投与しながら
hMG-hCG排卵誘発したところ40%に妊娠が可能であったという報告があります。
一度自己抗体検査を受けて見られてはいかがでしょうか?
これまでの排卵や妊娠成功例の多くがエストロゲン療法を基本と
したものです。
エストロゲンのnegative feedback によるゴナドトロピンの正常化のほかに、
卵巣のゴナドトロピン受容体の増加によりゴナドトロピンへの感受性が高まることなどが
エストロゲンが治療に有効である原因と考えられています。
以下の排卵誘発を試みることになります。
1)エストロゲン、プロゲストーゲン(黄体ホルモン)周期投与
2)エストロゲン+hMG-hCG
3)GnRHアゴニスト(例スプレキュア)
4)GnRHアゴニスト+hMG-hCG
これらの方法により20%に排卵が、5〜10%に妊娠の可能性があると報告され
ています。これまでにこれらの治療を受けたことがないようでしたら、
産婦人科の先生に再度ご相談になってください。
|